[[伝説の中の鳥>LegendOfBirds]]

*孔雀【くじゃく】 [#v92bc627]

-ヘーラーの孔雀

 ギリシア神話で、ゼウスの妻であり、女神の頂点に立つヘーラーのお気に入りの鳥は、孔雀です。この孔雀達は、女神の戦車を引く役割もしています。~
 孔雀の雄の雌を誘う時に広げる羽は、目玉みたいな模様を持っていますが、ギリシャ神話では、これはもともと存在しないものだったようです。それはこんな話からきています。ゼウスは、とにかくいろんな女性と浮名を流しているので、女神ヘーラーはいつも嫉妬しています。そして、ある日、ゼウスは、河の神の娘イーオーと浮気している現場をヘーラーに見つかりそうになったので、とっさにイーオーを子牛に変えてその場をしのごうとしました。だけど、ヘーラーの方が上手で、ゼウスからその子牛をもらいました。そして、アルゴスという巨人に監視させました。ゼウスは、なんとかしてイーオーを取り戻したいと思ってますが、アルゴスは、身体中に無数の目を持つ怪物で、1つの目が眠りについても、どこかしらの目が開いているので、なかなかうまくいきません。そこで、伝令と盗賊の神・ヘルメスに頼みました。ヘルメスは、羊飼いに化け、アルゴスに近づき、葦笛を吹きました。ヘルメスの笛の音が美しかったので、アルゴスは、眠りだし、とうとう全ての目を閉じてしまいました。そこで、ヘルメスは、アルゴスを殺し、イーオーを取り戻しました。ヘーラーは、アルゴスの死を悲しみ、その目を自分の鳥の孔雀の尾羽にちりばめたとので、以後、孔雀はあのような模様を持つのだということです。~
 『ギリシア神話を学ぶ人のために』によりますと、西暦5世紀の文法家マクロビウスは、アルゴスとは、天のことで、見張りのためのたくさんの目は、輝く星を指しているといっています。牝牛とは大地を指していて、天であるアルゴスは、その大地を見張っている。ヘルメスがアルゴスを殺すとは昼の光で星を見えなくすることだということです。そういう話をきくと、孔雀の模様もたんなる怪物の目の模様というわけでなく、天の星を表すという宇宙的なスケールの話になりますね。

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