THE BIG YEAR 小鳥たちと男たちの狂想曲

THE BIG YEAR 小鳥たちと男たちの狂想曲 (単行本)

マーク オブマシック (著), Mark Obmascik (原著), 朝倉 和子(翻訳)

 

バードウォチングをするイメージは、お気に入りの場所へ行ってそこに生息する鳥たちを眺めるとか、目当ての鳥を見るためにその場に行くとかで、でも、苦労しても、鳥と出会わない確率もあるので、半分、ハイキング気分で、のんびりと気長に楽しむものと思う。 (必ず、鳥がいるといった干潟などは別ですが。)

でも、この本に書かれている内容は、鳥を見て楽しむというよりも、とにかく鳥を見るという競技です。

一年間に北米に生息する鳥を何種類目撃したかを競います。不思議なことに自己申告だから、証拠がなくてもよいことになります。ここでメインで紹介される3人の男は、莫大な金と体力と時間を使って、東から西へ、北から南まで鳥を目撃するために移動を繰り替えします。 鳥を観察することが主体ではないことがわびしく感じます。 この競技のもともとは、1日で殺せる鳥の数を競うなんて、今から思うととんでもないことが始まりだったようですが、オーデュポン協会の鳥類学者が、アウトドアを愛するなら鳥を殺す代わりに数えたらどうだろうかといった提案で、今の形になったそうです。

とにかく、めずらしい鳥を見た→移動→貴重種の鳥の情報が入った→移動→鳥が確認できた→移動で、苦労して鳥を見たという感動はあるけど、味気ない気がしました。

ただ、400ページにも及ぶ文章ですが、知らない世界を覗いて驚いた感覚もあって、おもしろく読めました。

昨日のブログに載せた「ぼくはものぐさバードウォッチャー」とはまったく相反する世界が描かれていることになります。まあ、それが楽しいからやっているからなんともいえないけど、私は、 「ぼくはものぐさバードウォッチャー」流のバードウォチングの楽しみ方を指示します。

ちなみにこの本の帯にスピルバーク映画化とありましたが、実現したのでしょうか。 映画になったら見てみたいです。

 

 

 

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