伝説の中の鳥
雀【すずめ】 †
『耳袋』の中にあった話です。
「ある所で、雀の合戦があって、東西に分かれて戦っていた。
そこから、5,6町離れたところに鳶や烏が集まって、たおれた雀を食べようとねらっていると、そこに鷹がやってきて追い払う。
1昨日の合戦の最中に、東の雀を鳶がとろうとしたところ、戦いを忘れて他の雀が鳶にとびかかった。西の雀が、7、8羽飛んできて、ようやくこの鳶を助けたという調子であった。
討ち死にする雀も数多く、すでに6日間も続いている。合戦は昼ごろから始まり、夕方の鐘の鳴るのを終わりの合図として定めている。」
というわけのわからない話で、最後、「作り話かもしれないが、珍しい出来ことなどで、書き留めておく」と締めてあります。