伝説の中の鳥

白鳥

  • トゥオネラの白鳥

フィンランドの叙事詩「カレワラ」では、嫁をもらう為の課題として、レンミンカイネンという戦士に与えられたものの1つに「トゥオネラ」という場所にいる白鳥をとってこいというものでした。「トゥオネラ」は、冥界にあたる場所で、そこに流れる川は、日本でいう”三途の川”です。その川に泳いでいる白鳥をとってこいということは、この世とあの世の狭間に行って来いということです。ちなみにレンミンカイネンは、邪魔が入り、結局この白鳥は捕れずにこの課題を失敗します。

  • リアの白鳥たち

「ケルト神話」
 リアという神は、ボォウという神の3人の娘のうち一番上の娘イーヴを選んで結婚します。二人の間にフィノーラ、イードという双子の姉弟が生まれ幸せな毎日を送りますが一年後、フィアクラとコーンという双子の兄弟を生んだ後、イーヴは、お産が重く、亡くなってしまいました。
 喪があけてから、ボォウ王は、二番目の娘エヴァを妻にしたらどうかと提案し、母のない子供たちのことを思い、リア王は、エヴァを妻に迎えます。エヴァは、はじめのころは子供たちをかわいがりますが、子供たちが成長し、かわいらしく賢くなるにつれ、夫の愛、父の愛、神々の愛がすべて子供たちにそそがれているように思い、嫉妬にかられます。そして、とうとうエヴァは子供たちに呪いをかけ白鳥にしています。
 ケルト神話でかけられる呪いはたとえ神々であっても解くことができないらしく、子供たちは、白鳥のままでいることになります。ただ、エヴァは、永遠に白鳥の姿のままということは、不憫に思ったらしく、300年の間湖で過ごし、次の300年の間北のモイルの海で過ごし、あとの300年は西の海のグローラ島で過ごす。北の国の王子と南の国の王女が結婚し、キリスト教の鐘がひびいたとき、人間の姿にもどれるということをつけたしました。そして、人間の言葉と心は残し、美しい歌声は与えました。
 エヴァの行為は、やがて知れて、エヴァは父王ボォウにより「空気の悪魔」に変えられてしまいます。最初の300年は、湖のそばにリアもボォウも白鳥のそばで暮らしますが、やがて別れの時が来て、次の300年は、北の荒れた海の上で、暮らさなくてはいけないつらいものでした。やがて次の300年が来て、グローラ島へ向かいます。途中、父や祖父がいたエリンの島を通りますが、かっていた宮殿は廃墟となり、会いたいと思ってた人々の姿がありませんでした。そしてグローラ島の湖で過ごし、そこで、人間の友達ができます。
 ある朝、キリスト教の鐘の音を白鳥たちが聞いたとき、白鳥たちは呪いが解ける日が近づいたことを知り喜びの歌を歌います。その歌声を聞いた聖者ケモックは、4羽の白鳥がリアの子供たちであることを知ると礼拝堂に迎えいれます。神への信仰の教えに感銘をうけ、神をたたえる教会の歌の仲間に入りました。
 やがて、北の王子と南の王女が結婚することになります。王子は、白鳥たちの噂を聞き、王女へ贈り物にしようとしますが、聖者が断ったので、教会の外に4羽の白鳥を無理やり連れ出します。すると、白鳥たちの羽が抜け、900年の年月の重みを背負った老人の姿になりました。聖者は、4人に洗礼をほどこし、そして4人の魂は天に召されます。聖者は、4人の願いどおりに1つのお墓に埋葬し、リアの子供たちのために祈りました。

  • ローエングリーン

 ワーグナーのオペラ『ローエングリン』にも白鳥が登場します。ドイツの伝説によると、もともとこの白鳥は、人間の王子の一人で、兄弟達とともに継母の呪いにあい白鳥の姿にされます。妹の王女の努力で、他の兄弟たちは、人間の姿に戻れますが、この白鳥だけが、人間に戻れるアイテム(指輪かネックレス)が足りなかったため、元の姿に戻れませんでした。
 男兄弟の末っ子がローエングリーンで、兄である白鳥とともに旅をします。ローエングリーンは、窮地に陥った女性を助け、その女性と結婚することになりました。
 ただし、ローエングリーンがその妻となった女性に対して与えた禁忌にあります。ローエングリーンは、絶対に自分の名前を尋ねてはいけないというものでした。悪人にそそのかされた妻は、名前を尋ねてしまいます。ローエングリーンはそのためその場所にいることができなくなり、白鳥とともに去っていきます。


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Last-modified: 2009-07-31 (金) 19:00:01 (4021d)
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